2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「筏師哀歌」再録

「仕事歌」というジャンルが確かにあった。それが人々を繋ぐ絆でもあった。主として第一次産業、第二次産業地帯。「都市化」「近代化」が失っていったものは「仕事歌」。具体によって人々が繋がるこの紐帯は強い。拘束性すら持つ。だから、「近代化この良きも…

ウージェーヌ・シュー「idiot(イディオ)」

パリでの遊興に倦んで、私は、静けさを求めて、レズの森近く、**(<ママ>)シャトーに出かけた。そこでの滞在は、不快感とか束縛感とはまるで縁遠く、景色の美しさや宿の主人の親切なもてなしに魅了された。食事時に集まりさえすれば、誰もがそれぞれ自分…

アヴェロンの野生児 史料

1801年6月9日付 国立聾唖教育施設医師よりアヴェロン県知事宛知事殿 国立教育施設の管理職者は、内務大臣の許可を得て、およそ一年前貴県下の森の一つで発見された若者を私の治療に委ねております。この不幸な若者は、私の見る限り、進歩を見せており、さら…

「いじめ」からの脱出ー私の「生活指導」実践記録

「いじめ」という魔性 私自身は「いじめっ子」であったし「いじめられっ子」であった。もしかしたら今も「いじめ」の行為者であり被行為者であり周辺者であるのかもしれない。とりあえずは過去の私を紐解いてみる。「いじめっ子」であったというのは、善意・…

たった一回限りの授業−2013年度学習院大学文学部教育学科「教育入門演習」

2013年度から学習院大学文学部教育学科が開設された。主として小学校教員を養成することを目的としている。私は同年末で定年退職の立場にあるので、設置にあたる準備過程で関わりはしたものの、開設されるとほとんど関わりを持つことがなかった。ただ、「教…

ぼくの「フランス」入門のこと

ありがたいことに、ぼくの人生の節々には光を差しともして下さる方が現れる。生活綴方へと導いて下さった倉沢栄吉先生、生活綴方の英語圏版とも言えるwhole languageへと導いて下さった志摩陽伍先生。 学習院大学に転じた時には、さすがに、自力で研究課題を…

生まれて初めてフランスエッセイを日本語に翻訳したこと(2000年6月)

日本の教育レポート どうして青年期はハラキリをさせられるのか アレクサンドル マンドリ 特派員 『マリアンヌ』誌 2000年6月19日から25日週 第165号殺人、きちがいじみた振る舞い、絶望的な断絶、そして伝統・・・・ 日本の若者たちは太陽の昇…