白痴症カルテ―エドゥアール・セガン{1843年}

白痴症モノグラフカルテ

年齢
性別
白痴症の程度
判別・推測原因

<症状>
癲癇
部分・全体麻痺
胆汁分泌
リンパ体質
甲状腺
異食、異嗜
食欲不振
過食
不随意唾液分泌
盲目、近視、斜視
難聴

<身体状況(生理学的状態)>
筋肉の収縮一般について   
身体両側間における筋肉収縮の相違   
把握、投擲、着地   
機械的、無意識的或いは神経質的運動について   
上記運動が一回限りか繰り返されるかあるいは常動か?   
 上記運動に対する、熱さ、冷たさ、電気、などの影響      
神経状態一般   
部分的或いは全体的痙攣  
涙、神経質な叫び   
触覚、食べ物の摂取、咀嚼、嚥下の際、唾液が出ているか否か、しきりに唾を吐くか否か、消化、
分泌、自発的あるいは非自発的排泄、―昼夜問わず不潔   
腕の偏心運動と求心運動との相違
姿勢保持、歩行、跳躍、走行、上昇、下降
関節屈伸一般について
視力 
聴覚
味覚
嗅覚
興奮、先天性あるいは後天性の素質
発声
発話
単一の単音節の、繰り返す単音節の、2音節およびそのくり返しの発声―発声の欠陥―もっぱら、物事への欲求、関心あるいは渇望の表現として示される発話
脈、呼吸

<心理学的状況>
注意   
比較                     
判断
上記三つの知性の働きはもっぱら味覚、欲求、食欲に役に立つ。すなわちそれらは、しばしば具体的、抽象的あるいはそれらが入り交じった―すなわち抽象的かつ具体的―現象を(いささかほどにまで)包含する。
色彩観念、形状観念、整理観念、広さ観念、計画観念
文字、読み方、書き方、病臥の認識
数字の順と働きについて
場所の記憶―物事の記憶―人の記憶―数の記憶―音楽の記憶―考えの記憶―必要の記憶―義務の記憶

<本能的ならびに精神的状態>
子どもはいつでもどこでも食べようとするか?
子どもは集めたものを壊したり、蓄えたり、さらにものを集めることが好きか?
子どもは服従し、敬うか?それとも度し難いか?
子どもは思いやりがあるか、それとも反抗的か?
―甘えん坊か、それとも情愛が深いか?
―陽気か、それとも無口か?
―傲慢か、それとも虚栄心が強いか?
―勇敢か、それとも臆病か?
―慎重か、それとも軽率か?
―疑い深いか、それともお人好しか?
―物真似が上手か?
子どもはよい感情なのか、それとも悪い感情なのか?
子どもは常に自発的であるか、それとも時々なのか?
子どもはあまり自発的でないのか、それともまったく何もしないのか?

<人物描写>
対年齢比身長
気質
頭蓋の全体形状
顔の形状
頭蓋および顔の両サイドの相違
胴と四肢の相違
体、着席、臥床などの全体的な癖
発話、および生殖器官について―その器官が示す以上の中の共通点となるもの。

注記。白痴症と思われるものを詳細に一覧している。その徴候のどのようなものも成長し、後退しそして停滞する。いつでもそうだ。