NO. 9 パリ・コミューンのメンバー(ヴァンドーム広場のバリケードの前のヴァレ同志)

http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~920061/commune/commune10009.JPG

 ジュール・ヴァレはエリート・ジャーナリスト。数多くの新聞の編集に携わり論説を寄稿しているが、パリ・コミューン下ではつとに名高い『人民の叫び』紙は彼の活動を代表するものである。1871年3月26日のコミューン選挙では15区から4403票を獲得して選出された。ヴァレには名作『子どもL'Enfant』などの文学作品がある。
 「ヴァンドーム広場」は「金持ち階級の街」を象徴する。そればかりではなく広場の円柱形の記念碑(コローヌ)は「侵略」「暴力」を象徴する。ナポレオンI世像が記念碑の頂点に立っているからだ。パリ・コミューン議会はコローヌの倒壊を「野蛮の記念建築物、暴力と偽りの栄光の象徴、軍国主義の肯定、国際的な権利の否定」だと議決し、1781年5月16日に倒壊を実施した。文豪ヴィクトール・ユゴーはコローヌを「復讐のモニュメント、きらめくコローヌ、至高のブロンズ」と称え(「ヴァンドーム広場のコローヌに捧げるオード」より)、パリ・コミューンの行為を激しく非難している。


 倒壊されたコローヌ前での匿名氏の「記念写真」